

高野歯科医院は CT・ 顕微鏡 ・セファロ 、3Dスキャナー・レーザー 設備有.小児のう蝕予防・咬合育成・予防矯正・小児矯正・成人矯正・う蝕・歯周病・顎関節症・インプラント・口臭などを6名の常勤歯科衛生士と2名の常勤歯科医師などで加療させて頂いております。

むし歯
むし歯は、口の中にいる細菌が、私達が食べたり飲んだりする糖分を餌にして作りだした酸によって、歯が溶けた状態のことを言います。むし歯菌はほとんどの人の口の中にいるような細菌ですが、口の中で増やさないようにすること、酸をつくりにくいような生活習慣をすることで、十分予防のできる病気です。通常は痛みなどの症状はありませんが、進行すると痛みが出るだけでなく、歯の内部の神経にまで影響が及ぶと、耐えがたい痛みの原因になったり、全身に細菌が回ってしまうこともあります。




むし歯のでき方
通常、口の中には様々な種類の細菌が数多く住んでいます。この中にはむし歯や歯周病の病原菌も含まれています。特にむし歯の病原菌としては、ミュータンス菌といわれるものがよく知られています(図1)。 このミュータンス菌は、私達が食事やおやつなどで摂取する食べ物や飲み物に含まれる糖分を栄養にして増殖し、その際に菌の周囲にネバネバのグルカンというノリのような物質を放出します。これによって歯に強力に付着して、そこでたくさんの細菌の集合体が形成されます(図2)。これが増えて歯の表面の白い汚れとなったものが、プラークというものです(図3、4)。また、この細菌は同時に乳酸も作り出します。そうするとプラークの中は酸性になり、接触している歯の表面のエナメル質は酸によって溶けてしまいます。この現象を脱灰といいます(図5)。




むし歯の進捗
歯が溶ける状態がずっと続くと、ついには穴があいてしまって、いわゆる「むし歯」ができてしまいます。こうなると、歯を削って治療する必要があります。歯に穴が開いた状態でもあまり痛みを感じることはありません(図6)。そのまま放置すると、さらに歯の内部にまでむし歯は進行して、エナメル質よりも酸に弱い象牙質も壊れていきます(図7)。この時にも痛みを感じないことが多く、放置すると、その中にある歯髄という歯の神経や血管のある部分にまで細菌が侵入します。こうなると耐えがたい痛みが出たり(図8)、神経が死んでしまって中で細菌が繁殖し、ついには歯の根っこの先端部分のあごの骨の中に細菌の巣をつくるようになります(図9)。あごの骨の中で炎症がひどくなると、顔全体が大きく腫れあがるようなこともありますし、熱が出たり、全身にも悪い影響が出ることがあります。
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再石灰化
歯に穴があくむし歯になるまでの初期の状態では、表面で歯の成分のアパタイト結晶が少し崩れたような状態になります。通常エナメル質は透明感のある白い色をしていますが、結晶が崩れたような状態では不透明な白い色に見えます。この状態を初期むし歯といいます。この段階でしたら、歯を削ることなく、崩れた結晶の部分を回復させて元の状態に戻すことも可能です。このように失われたミネラル成分を取り込んで回復することを再石灰化といいます。

むし歯になりやすいところ
むし歯のできやすいところは、プラークのつきやすいところ、とりにくいところです。奥歯の溝などのへこみのあるところ、歯の根元で歯肉に近いところ、そして歯と歯の間です。成人や高齢者では、むし歯治療をした歯の詰めた材料と歯の境界付近で、これは二次う蝕(むし歯)と言います。さらに歯肉が少しずつ減ってきて、歯の根っこが出てくると、表面はエナメル質よりも酸に溶けやすい象牙質が露出するので、この部分もむし歯になりやすいところです。 特に二次むし歯や歯の根っこの むし歯などは見えにくいところです。さらに多くの場合、かなり進行するまで痛みなどの症状もありません。定期チェックで歯医者さんを受診して初めてむし歯に気付くということも少なくありません。

むし歯の4原因(Newbrunの4つの輪)




不規則な食生活がむし歯の原因
むし歯になりやすい人
人によって口の 中にいる細菌の種類は異なりますが、ほとんどの人の口にはむし歯菌が含まれています。このむし歯菌が多くなるような人、そしてむし歯菌が活発に活動しやすいような生活習慣の人はむし歯に罹りやすくなります。すなわち、歯みがきと食生活とが大きく影響するのです。むし歯ができやすい人は、プラークをうまく除去できない人、そしてプラーク中の細菌の栄養である糖分を頻繁に摂取する人です。つまり、プラークがついたままだと、細菌は増えるばかりで、酸によって歯が溶ける時間が長くなってしまいます。また、頻繁におやつや間食を摂る人は、プラーク中の細菌の活動が盛んになり、酸も多くつくられてしまいます。 全身的な病気・薬の副作用や高齢によって唾液の分泌量が少なくなることもあります。唾液は、口の中の細菌を洗い流したり、酸を中和するのにとても重要な役割を果たしています。したがって唾液の出る量が少ない人は、むし歯ができやすく、その進行はとても速いのが一般的です。初期のむし歯では、唾液中からカルシウムやリンなどの歯を形作っている成分が取り込まれて、再石灰化という現象が起きています。
むし歯の予防法
むし歯の予防法は、
①むし歯菌を減らすことと、
②その活動を抑えること、そして
③歯を丈夫にすることです。
1)歯みがき
むし歯菌を減らすということは、プラークを取り除くことです。プラークはむし歯菌が作るネバネバの物質によって歯に付着しています。この付着力はかなり強くて、ウガイでは取り除くことができないので、歯ブラシでこすり取る必要があります。やはりむし歯予防の基本は歯みがきです。
(1)みがき方
歯みがきの主な目的は、歯肉に近い部分の歯の表面に付着したプラーク の除去です。したがって歯ブラシは、歯の表面の根元に直角にあてて、歯肉にもブラシが当たるようにします。そして毛先が5ミリ程度歯の表面で動くように、横や縦に小刻みに動かします。このようなみがき方で奥歯から前歯、そして歯の裏まで、全ての歯の根元を丁寧にみがきます。このような歯のみがき方はスクラビング法(scrubbing : 毛先みがき)といい、最も効率的にプラークを除去できるみがき方です。しかし、この方法では歯と歯の間のプラークを取り除くことがほとんどできません。 歯と歯の間の掃除には、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシが必要です。
(2)いつみがく?
ではいつみがくのがよいでしょうか?食事に砂糖が含まれていなくても、むし歯菌の餌になる糖分は含まれています。食事をするとすぐにプラーク中の細菌が糖分を取り込んで酸をつくりますから 、「食事をしたらすぐ歯をみがく」のが基本です。おやつの場合も同じです。「食べたらみがく」が大切です。但し酸性の強い食事を飲食したあとや歯牙漂白作用の強い歯磨剤を使用した場合は食後30分経過してからの歯磨きがお勧めですね。 現実的なみがき方としては、朝食後、昼食後かおやつの後、就寝前、で十分でしょう。特に寝ている間は、体の働きが低下していて唾液も出ませんから、口の中の細菌にとっては活動しやすい環境です。寝る前によく歯をみがいて細菌を減らしておくことはとても効果的です。
この曲線を発見した、Stephanらは唾液の緩衝作用(お口の中の状態を中性に戻そうとする働き)を実証するために、ヒトの厚く堆積したプラーク内に微小電極を挿入し、10%グルコースで洗口した際のプラーク内pHの変化を調べました。洗口直後にはエナメル質が溶けだす酸度(臨界pH)に低下しましたが、約20分後には再上昇して60分後には元のpHに回復しました。 このステファンカーブは「エナメル質が脱灰されるpH値(臨界pH)」「約20分後に臨界pHから脱する」「元の中性に戻るのに約1時間かかる」ことがわかります。




酸蝕症の歯牙の摩耗実験(食後の再石灰化時間&歯磨き剤のPH)
(3)歯みがき剤の使い方
歯みがき剤は使った方が効率よく汚れが除去されて、歯はきれいになります。通常フッ化物も含まれていて、酸に溶けにくい歯にするためにも有効です。歯みがき剤を適量『酸性の強い歯磨剤や研磨成分の多く配合さ れた歯磨剤の使用は回数や量に注意して(特に歯茎が退縮して歯根面の露出している歯)』をつけて、全体の歯に伸ばし、そして全ての歯をみがいていきます。みがき終わったら、歯みがき剤を吐き出します。ぶくぶくウガイは行わないほうがフッ化物など歯の強化や再石灰化に必要な成分を唾液中に長く留まりより効果的です。
1)コーラに90秒侵漬しその後水洗した歯牙を口腔内に戻してガム咀嚼(唾液による再石灰化) 2)直後、30分後、60分後に歯磨き(各種歯磨剤を使用、1日2回3日間連続)施行各試料のエナメル質の消費量と表面化硬さの測定 ⇒ 1日3回コーラを飲んで即ホワイトニング歯磨剤で歯磨きをすると→1年でエナメル質が約300ミクロン、3年で約1㎜無くなる (日本歯科医師会生涯研修ビデオライブラリー 東京医科歯科大学 予防歯科)
Tips of Brushinng&Flossing
2)食習慣
(1)よくかむ
唾液が口の中の汚れを洗い流すのに有効であることは前に述べました。唾液をた くさん出すには、食事の際によくかむことが大切です。また食べ物が口の中でかみ砕かれる際にも、歯の表面の汚れを取り除いています。いつも軟らかい食べ物をあまりかむことなく食べているようだと、プラークが歯に付着したまま、細菌が増殖を続けることになります。よくかんで食べること、できればかみごたえのあるかたいものを食べることは、むし歯予防に有効です。
(2)おやつは?




1日の中で、おやつも大切です。ただし、長時間かけてだらだら食べると、口の中はいつもむし歯菌が酸をつくり続けていることになります。時間を決めて規則正しく間食を楽しむようにしましょう。夜寝る前に夜食を食べて、歯みがきをせずに寝る、というのは絶対にやめましょう。ジュースなども糖分を含んでいますので、ジュースを飲んだからといって口の中がきれいになるわけではありません。口の中にいるむし歯菌に餌を与えてから眠りにつくようなものです。
お菓子、清涼飲料水、パン、ご飯の糖質の含有量

(3)ガムやキャンデー


